2018年12月29日土曜日

レノファ山口'18選手別雑感その2

その1はこちら
◇MF
5 佐藤 健太郎
開幕スタメンだったがケガにより長期離脱。結果として三幸がボランチとして覚醒したが、快方後も数少ないフィルターとして重宝された。
ただの守備の人ではなく、狭いところに突っ込んでいけるドリブルテクニックも持ってるし、ワンタッチで捌く姿にはなんとなくまだ上野サッカーの香りを残している、と思うのは私だけだろうか。

7 大﨑 淳矢
インサイドハーフよりはシャドウ。サイドではなくセンター。テクニックよりも運動量、動きの質で勝負するタイプで、いろんなところに顔を出せる、自分の好きな気が利くタイプの選手。
ただ意外と?報われることが少なくゴールも少なかった。(バー当てるとかがめっちゃ多かった。

8 小野瀬 康介
前半戦のみで11G決め移籍金を置いてガンバへ旅立っていった。
普通にJ1でも通用しているドリブルはJ2では敵なしで、今年は特にシュート意識が高かった結果だろう。しかも切り込んでのシュートを相手に意識させておいて縦からクロスなども上手くなりさらに得意パターンが磨かれていった。
ガンバでもファンサしないのは相変わらずらしいので頑張ってほしい。

8 ジュリーニョ
ということでミシャサッカーに適合せず干されていた札幌からやってきたブラジル人。
大宮戦の一発屋感しかない。

15→10 池上 丈二
イニエスタ以外でイニエスタルールが適用された唯一の選手(多分
しかし10番つけた後大けがをしてシーズンが終わってしまった。
去年はダイナモタイプだと思っていたらゲームメイカーだったのは自分の見る目のなさである。
基本はインサイドだが、高い位置で相手エリア付近で短いパスを操るタイプ。
大﨑と同じくシュートがよくポストに当たってた。

11 鳥養 祐矢
一応MF登録だが、瀬川に代わって試合はほとんど左SBで出ていた。
チームの闘志を奮い立たせる存在で、技術云々抜きにして出ることに意味がある選手。
ただその裏返しでプレーはめっちゃ荒いw
正直最初は霜田サッカーについていけずそのまま出番なしも考えられただけに、技術以上に必要なものがあるというのを体現した。

14 髙柳 一誠
残念なことに今年も出番がなかった。
一度くらい試してほしかった気もするんだが・・・

20 清永 丈瑠
健太郎が怪我し、大﨑がレッドもらったのをきっかけに出場が増えた。しばらく交代カードの優先度が高かったのだが、サイドに置くにはスピードがなく、トップ下ではテクニックが足りずインサイドではボールが収まらない。
正直起用に疑問符を感じなかったわけではない(実際その間勝ちがなかったし)
結局シーズン終盤怪我したことで終了となったのだった。

28 髙橋 壱晟
高橋一生に似てる、ジェフから来たイケメン。
エリア内でのテクニックを持っている選手と聞いており、攻撃のスイッチを入れるために投入されることが多かったがなかなか期待に応えられず、前半途中で交代されたり、交代で入ったのに外されたりと不遇を託った。そもそもボールタッチ自体が少なかった気がする。

29 三幸 秀稔
今年のレノファの中心であり、替えの利かない選手になった。チーム内シーズンMVP。
持ち前のロングパスに加え、健太郎の怪我によりボランチをやることになったことで、守備面での意識も上がり、それに伴い対人の強さも備わり、リーグ屈指のボランチとなった。また博打的なパスが減り、カットされてカウンターを食らう場面も減ったように思う。
引き抜きは必至と思われたが、まさかの契約更新である。

32 丸岡 満
ドルトムント丸岡。
インサイドとしてはいまいち見せ場はなかったが小野瀬移籍後ウイングで起用されて一瞬だけ輝いた。

35 ワシントン
名古屋から夏やってきた。
勝てない時期に後ろの強度を上げるためCBで起用されたりボランチで起用された。
どちらかといえばCBだったかな。
一応その試みは成功したといえるだろうか。プレイ内容をそれほど覚えていないのが申し訳ない。

40 糸井 岬
41 廣田 隆治
どちらも全く出番なし。ベンチ入りもなかったかな。

50 高井 和馬
夏にヴェルディからやってきた紺碧のペガサス。
去年群馬で一人次元の違うプレイをしていたのだが、ヴェルディでは怪我もあったり、戦術に合わず出番を失っていたところ完全移籍でやってきた。
サイドではあまり上手くなく、トップもしくはインサイドで味方が近い距離にいるときにボールを持つと良さが活きる。
個人的に好きな選手で、もっとやれると思うだけに来年が楽しみだ。

◇FW
9 岸田 和人
今年は主にスーパーサブとして活躍。大概は劣勢時、後ろの枚数を減らして攻撃的に行くぞというメッセージとしての起用。ポジションとしては2トップの1枚かウイングというところであったが、あまりそこに縛られずとりあえず前からプレスをかける役割であった。
そもそも岸田が出る時はバランスを崩すときなので、前から連動しないとボロボロになる。
そしてその中で岸田がゴールを決めると一番盛り上がるのだ。

18 高木 大輔
ヴェルディからレンタルできた三男。
左ウイングのレギュラーとして、終盤はバランスが崩れた時に右行ったりWBまでやったりと結構便利屋的な使われ方もした。
トラップ技術やダイレクトプレイがとにかく上手い。ドリブルでも交わせるがどちらかといえばコンビネーションで切り崩していくタイプ。ヘディングでもゴールを決めていたり、どれも技術の高さを裏付ける。
先日完全移籍が発表された。レンタルバックが既定路線と思っていただけにこれは嬉しい。(個人的に応援ボードを作っていたくらい好きな選手なのだ)

19 オナイウ 阿道
オナイウが20点取るとは開幕前誰が予想できただろうか。
ビジュアル的に、競り合いが強くポストプレーとかヘディングで起点になるイメージだが、実際どちらもそれほど上手くはない。
ゴールは主にこぼれ球への反応や、狭い位置で右でも左でも素早く足を振りぬいてGKの予想しないタイミングでのシュートであった。
来年は大分へのレンタルが決まっており、実質初めてのJ1挑戦となる。大分ではチャンスは多く来るはずなだが、そこで確実に決めることが求められていると思うので、今年の感覚を忘れずに頑張ってほしい。

24 山下 敬大
器用のされ方で忘れていたが、大卒ルーキーだった。
おそらく霜田監督は三幸、前に次ぐ信頼を置いていたと思われる。
大型FWだが足元の技術もあり、実際中盤での起用の方が多かった。
もちろんその体格に見合った競り合いの強さも持っている。
ただシュートは基本的に3本打たないと枠に飛ばない。

FW27/大石 治寿
オナイウが絶好調で、2トップの際には岸田がファーストチョイスであったためほとんど出番が来なかった。
ほぼ唯一の見せ場といえば、アウェイ甲府戦で伝説の
大輔 大石 山下 オナイウ 岸田 小野瀬
という前線が見れたのが今年のハイライトとともにチームの分岐点ともなった試合であったといえるだろう。

◇監督
霜田 正浩
監督としては初采配であり、不安も混じった開幕であったが、最終的に一桁順位で成功を収めた。
選手起用は基本的に固定で、交代もパターンが決まっているタイプだが、スイッチが入ると平気でDFの枚数を減らしたりする。
前述のアウェイ甲府戦2-2-6は伝説に残るであろう。(しかもDF2の片方はSB)
戦術としてはボールを握るのをメインとして、相手時には常にプレッシングを意識して、すぐに奪い返してカウンターというのが基本。
そのため夏場の運動力が落ちる時期に、小野瀬の移籍とも合わせて成績も下降してしまった。
それでもやることはブレずに1年戦い切ったのはチームとしても選手監督としても大きな財産となるだろう。
勝ったときは選手のおかげ、負けた時は監督のせい、というのが試合後のコメントからも伝わってきて、選手もやり甲斐があるだろうなと思う。

レノファ山口'18選手別雑感その1

17年に引き続き。
基本的にtkqさんのパクリです。
◇GK
1 村上 昌謙
去年の正GKも、今年は一度も出番なし。藤嶋が調子落としていたタイミングでケガしてたりしてた気がする。
来年はレンタルで水戸行きが決定したが、同じくらいのレベルのGKが多いので果たして出番はあるのか。

17 吉満 大介
後半から正GKになった。
パントキックの正確性は日本人GK屈指。
セービングに関して大きく優れているところないが、目立ったミス、苦手なプレイも少ない印象。

33 山田 元気
レンタル継続となったが、開幕前の怪我が長引き結局1度も出場せず。
来年から完全移籍が決まった。
ポテンシャルは随一だと思うので正GK候補。あとは足元次第だと思う。

42 岡本 大知
情報なし。18歳。

44 藤嶋 栄介
前半戦の正GKも、チーム成績が下降線になったとともに外されてしまった。
結構ムラが大きいタイプであり、クロスの飛び出しやニアサイドの反応などゴールに直結するミスも。
しかし出てる試合はベストセーブの常連になるなど、彼のおかげで取れた勝点はかなりあった。
裏抜けへの飛び出しや、近距離のシュート反応などは本当に素晴らしい。

DF
2 坪井 慶介
最終的に半分以上にスタメン出場し、そのうちほとんどフル出場した。
ハイボールや1対1には苦しむところも多かったが、やはり代表レベルの経験は大きかった。浦和時代よりビルドアップに絡むことも多く、ややぎこちなさを感じたもののそつなくこなせていた。

3 渡辺 広大
相変わらず対人には強い。上野就任直後の甲府戦でも終了間際にCKから叩き込んだ。
主に組んでいたヘナンが特攻野郎なのでフォローに回ったり、劣勢時の後半ファイアーフォーメーションになった時CBは一人だったりと、かなり気苦労があったと思われる。

4 福元 洋平
全く出番がなかった。そもそもベンチ入りすら数えるほど。
ビルドアップが上手いわけでもなく空中戦もそこそこ、スピードには弱い、とあまり霜田監督の選択肢に入りにくいタイプだったと思われる。
来年は、現時点(12/29)で情報ないが、レンタル等も考えられる

6 前 貴之
今年のレノファを象徴する存在。マリノスが山中ならレノファは前である。
三幸と前がいないと今年のレノファ、霜田サッカーは成り立たなかった。
去年まではただの特攻系SBだったのだが、霜田監督によりビルドアップの主な部分を任され覚醒。それに伴い荒いプレーも減った気がする(なくなったとは言わない)
また、センターバックがビルドアップできないのならサイドバックをセンターバックに置けばいいじゃない、という発想の転換で右サイドバックからファイアーフォーメーションや3バックの時には3バックの一角に。
だがはっきりいって自由すぎである。右サイドには定住せずボランチの位置に動いたり、たまに左にいたりもする。
ジェフ戦の同点ゴールはなぜか右サイドからのクロスを中で合わせた意味が分からないものであった。

13 楠本 卓海
デビュー戦でゴールを決めて15試合ぶりの勝利をもたらした男。
結局出場は3試合のみになってしまったが、足元も上手くディフェンスの読みもいいので来年の出番は増える気がする。

16 瀬川 和樹
左SB及び後半は左WBでのレギュラー。話の通りクロスの精度とスピードは半端ない。守備の緩さも話通りで、一時外されたのもそれが原因。だが、やはり攻撃力は魅力で、なんだかんだ最後まで出番があった。あとちょっと目を離すと髪型が変わっており、誰だかわからなくなることが何度かあった。

21 廣木 雄磨
本職はSBだが元々CBもできることもあり、例のセンターバックがビルドアップできないのならサイドバックをセンターバックに置けばいいじゃない政策でCBの一角に入ること多かった。なので試合によっては開幕から廣木坪井前で並ぶこともあったりして、なかなかロマンあふれるディフェンスラインだった。

22 ジェルソン ビエイラ
開幕後にやってきて夏にインドへ行ってしまったブラジル人。
いまいちストロングポイントもわからなかった。

26 ヘナン
とりあえず突っ込む特攻CB。糸の切れた凧。
パスカットできなそうなタイミングでも相手に前に入ろうとして交わされる。
ただたまにそれでカットできちゃう身体能力は持っている。
だがそれに振り回される広大や坪井はたまったもんではない。
あとこんな顔なのにまだ22という衝撃。(楠本より年下)

43 起 海斗
今一番注目度の高い高校ともいわれる興国高のSB。
記事などを読むと元々ゲームメイカーで監督があえてSBに置いたらしい。
来年から本格的に所属が決まったので楽しみな存在である。

2018年12月9日日曜日

J1入れ替え戦 ジュビロ磐田vs東京ヴェルディinヤマハスタジアム 2-0●

現実を突きつけられた。
J1とJ2というものはこんなに差が開いているものなのか。
大きな勘違いをしていたようだ。J2の選手が個人昇格して通じている例が続いていたため、カテゴリーの差はないようなもの、ヴェルディは追い風、ジュビロは最悪な流れ、いつも通り戦えるはず、いつも通りでやれば勝てると。
その「いつも通り」をさせないやり方が1部と2部で圧倒的に違っていた。
プレスのスピードが違う、カットに入るのが早い、考える時間を与えない、繋ぐテンポが速い。

結局ジュビロがこの順位なのは、J1どのチームも同じくらいのテクニックがあるからで、そこから戦術があるチームは戦術がないチームに対して上からいく。その結果ジュビロはサッカーができなかったということだろう。
戦術を遂行できるようなテクニックがあって初めて細部勝負を決めることになる。だからもうスタートの時点でそこには届かない。
なのでジュビロはヴェルディに対して上からだった。

そしてヴェルディは呑まれ試合に入れなかった。その悪い流れのままPKを与え、連鎖してパスがつながらない、キープができない、シュートが打てない。
最後まで試合にはならなかった。
これは、誰ではなく誰を使っておけば、とかあの判定が、で収まる話ではない。
もうその次元にないのだ。
J26位のチームは所詮J2相手では上を食えるが、J1相手にするとこういうことであり、このレギュレーションである限り、プレーオフ組は実質1枠減っていると考えてよい。
ただ一つだけ言うのなら戦前ロティーナが言っていた通り、J1チームが引き分けでも勝ちというのはさすがにキツ過ぎる。
J2同士ならいざ知らずJ1のチームが引き分けOKで守り切るのは容易い。興行の面白さという点ではそれがつまらなくすると思う。

最後に、ロティーナ監督とイヴァンコーチは素晴らしいチームを見せてくれてありがとう。まさか自分がヴェルディを応援する日が来るとは思ってもみませんでした。
あなた方がJ2に来たお陰でリーグの戦術洗練度はまた一つ上の段階に上がったと思います。
次のチームでも期待しています。

2018年12月8日土曜日

J1昇格プレーオフ 第2戦 横縞FCvs東京ヴェルディ 0-1○

一瞬時が止まった。
GK上福元のヘッドに南雄太が僅かに反応して体に当てる。
その瞬間、この流れで決まらないのならば終了だ。そう思った。ボールは南のすぐ側に落ち、そのまま南がいつも通りクリアして終わりだと。
しかし止まった時の中を動く者がいたのだ。
気づいた時にはゴールにボールが入っていた。
本当にその瞬間何が起きたのかわからなかった。
前の試合の退場で一人減ってからのゴール、
横浜の再三のシュートはなぜか枠を外れる、アディショナルタイムもかなり過ぎいつ終わってもおかしくない時間点が入らなければ敗退、そこで上がってきたGKにコーナーキックがドンピシャからのゴール。
フィクションにしてはチープすぎ。
リアリティがないと叩かれるやつ。
ここまでやったならとことん嘘くさい展開をやってやれ。
ヴェルディ、11年ぶりのJ1にあと一つ。

2018年12月1日土曜日

J1昇格プレーオフ第1戦 大宮アルディージャvs東京ヴェルディinNACK5スタジアム 0-1○

ヴェルディに勝つのはいたってシンプルである。
ビルドアップの際、CBとGKのテクニックとキック精度が大分ほどないため、そこに強くプレスをかければほとんど何もできなくなる。
だが大宮は富山を右サイドに置き、大山酒井とでサイドを抑えようとした。
その結果真ん中が空き、更に最終ラインにプレスをかけないため、井上汐音と渡辺皓太が楽にボールが入るようになった。
また奈良輪が高い位置を取ることが攻撃の要になるため、できるだけ守備に回らせたい。
つまり奈良輪の同サイドにマテウスを置いて押し込むだけで大宮は楽に攻撃できたはずなのである。
大宮の強みは、スペースを突くマテウスの突破力から付随する大前のエリア周辺のテクニック(FK含む)であり、マテウスがトップの位置にいるとそれが全く活きてこないのはわかっているはずなのだが・・・
というわけで攻撃面でも守備面でも大宮は「やらかして」しまっていた。
後半スクランブルでシモビッチを投入するのだが、放り込みになるとなおさらマテウスの出る意味というものが希薄になってきて、チームとしての良さが消えてしまう(まあだからシモビッチの出番自体が今年少なかったんだろう)というわけで常にちぐはぐであり、大宮の負けはある意味必然であったといえるであろう。